ココが知りたい心とからだ

道家では「上善は水の如し」といって、人の生き方を水に例える。

「水の流れは決して無理はない。差別もしない。

さえぎるものがあれば避け、また、自然のままに流れる。そのくせ時には岩を削り、山をも崩す大きな力をもっている。そして、最後には、おさまるべきところへ必ずおさまる」

世の中は水が流れるがごとく、表面は動いていても、中身が少しも変わらないのが人間である。

荘子はすでに二千年以上も前に「空は幾層もあり、地球から見た空は青いが、空から見た地球もまた青い」と言っている。

これは、人類初の宇宙飛行士ガガーリンが語った言葉と全く同じではないか。（中略）

孫悟空は１日に三千里を飛んだが、それでも釈迦の手の平から抜け出すことができなかった。

人生もまた同じである。

そこに気付き、我執を放し、健康であれば、これほど楽しい人生はない。

それが道家の世界なのであり、そういう世界を知ってしまえば、頭の中はスッキリ、よけいな悩みもなくなる。

（早島正雄著：読むだけで元気になる本 はじめに より抜粋）